新潟市が政令市移行時の行政区の区名案を市民から募集し、その結果が公表されました。主な案は新聞などにも掲載されましたが、少数のものも含めて市のホームページに資料として掲載されています。
予想していた区名案もありましたが、予想外の良い区名案もあって驚きました。それから、複数の区で同じ区名案が出ていることもあります。今後は、区名の選定方法を含めて、行政区画審議会で議論が重ねられることでしょう。
今回の募集では、自分の居住地域だけでなく、他の地域の区名も応募できるとあってか、あまり思い入れのなさそうな区名案も見受けられます。資料の中でも、居住者の区名案の状況と全体の状況と分けてあります。ひとつづつ見ていきましょう。
1区は、「豊栄」がほぼ半数を占めていて、「北」、「阿賀北」、「東」、「福島」と続いています。居住者のみでは「豊栄」、「阿賀北」、「北」、「東港」、「東みなと」の順です。「阿賀北」はなかなか良い案だと思いますが、「豊栄」に落ち着くのではないでしょうか。
2区は、「東」、「中」、「港」、「北」、「沼垂」の順。居住者順位も3位までは同じで、「沼垂」、「東新潟」と続きます。ここは、区名を考えるのに難しい地域のひとつです。東新潟駅・東新潟中学校などがあり、「東新」とも呼ばれる地域なので、やはり1位の「東」に落ち着くのではないでしょうか。
3区は、「中央」が過半数を占め、「中」、「万代」、「新潟」、「柳都」と続きます。居住者のみでは順位が多少異なりますが、上位5つは同じです。やはり「中央」が過半数で、「万代」、「柳都」、「中」、「新潟」となります。ここは市役所がある地域なので、「中央」や「中」という案が上位にあります。「新潟」という案が実現すれば「新潟県新潟市新潟区」となりますが、これはちょっとくどいように感じます。パーセンテージは低いですが「柳都」に期待したいところです。
4区は、「亀田」がほぼ半数で、「南」、「東」、「亀田郷」、「湖南」と続きます。居住者順位では、「亀田」、「南」、「亀田郷」、「緑」、「かめだ」・「湖南」となっています。「湖南」とは、鳥屋野潟の南に位置するということでしょう。それなら「潟南」じゃないかとも思います。「亀田郷」は良い案だと思いますが、住所を書く手間を省きたい思いも出てくると思いますので、「亀田」に落ち着くのではないでしょうか。
5区は、組織票のあったところで、「新津」がダントツの1位。そして、「秋葉」、「みどり」、「さつき」、「にいつ」と続きます。居住者のみの順位では、「新津」の割合が更に増えます。そのあと、「みどり」、「にいつ」、「緑」、「さつき」・「花と緑」となっています。「新津」にしてしまうと、旧小須戸町の立場がないように思いますが、「小須戸」という意見は1票だけだったようです。秋葉山もありますし、「秋葉」が良いのではないかと思います。「秋葉」の読みは、「あきば」と「あきは」の二つありますが、この場合はどちらになるのでしょう。
6区は、「白根」がおよそ3分の2を占め、「南」、「中ノ口」、「みのり」、「緑」と続きます。居住者順位は「白根」、「みのり」、「しろね」、「みどり」、「南」の順です。ここもやはり「白根」に落ち着くのではないでしょうか。
7区は、「西」、「坂井輪」、「内野」、「西川」、「黒埼」の順。居住者順位は、「西」、「坂井輪」、「坂井」、「文京」、「青山」の順。ここも区名を考えるのに難しい地域です。まず「西川」ですが、地区内に「西川」が流れているからだと思いますが、隣の区に旧西川町があるので、混乱すると悪いので却下されると思います。「文京」は、この地域に大学がいくつかあるためだと思います。ところが、隣の区に「文京町」という地名があるので、これも却下されると思います。「坂井輪」にすると坂井輪地区の住民はよいでしょうが、黒埼地区や内野地区などの住民は反対するのではないでしょうか。結局、無難なところで「西」に落ち着くのではないでしょうか。1位が「西」というのも、そう考えてのことだと思います。
8区は、「巻」が最も多く、「西蒲」、「角田」、「西」、「西蒲原」と続きます。住居者順位は、「巻」、「西蒲」、「西蒲原」、「西」、「緑」となっていますが、6割はその他の区名案です。意見が分かれている地域です。「巻」か「角田」で決まりかと思っていましたが、「西蒲原」に関する区名案がここまで多いとは思いませんでした。旧西蒲原郡の町村で構成される地域なので、そうなったのでしょう。もしかすると少数意見の中から選ばれるかもしれません。「巻角田」とか「巻潟」など、組み合わせはいろいろあります。
個人的には、旧市町村名、丁名と重複する名称、東・西・南・北・中・中央は使用しない方がよいと思います。それでも、分かりやすさ・親しみやすさ・妥協できる範囲を考えると、ありきたりの名称に落ち着くように予想されます。