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2007年10月15日 (月曜日)

裏日本

本州の日本海側で初めて政令指定都市となった新潟市。この、「本州の日本海側」というのは、かつては「裏日本」と呼ばれていました。それに対し、太平洋側を「表日本」と称していました。「東日本」と「西日本」のように、日本を二つの区域に分けるひとつの方法です。「表」があれば「裏」もあります。冬も比較的温暖な太平洋側と雪に閉ざされる日本海側とに分けるとします。東京がある区域を「表日本」とすれば、新潟県を含む北陸地方や山陰地方は「裏日本」となります。ところが、「裏」というとネガティブに受け取られかねないため、近年ではこうした表現はしないようになっています。

新潟県は、その「裏日本」の代表のような地域ですが、明治期までは日本で最も人口の多い府県でした。日本人の主食であるコメの一大生産地であったため、人手が多く必要だったからと言われています。人口規模では東京より新潟の方が多かったわけですから、その気になれば大都市を建設できたはずです。しかし、そうならなかったのは、東京を中心とした国家作りが行われたからでしょう。東京が「表」で、新潟は「裏」だと。その後、次第に東京に人口が集中しはじめ、新潟県の人口比率は減っていきました。都会へ移った人も多いと思いますが、北海道や大陸などに開拓しに行った人たちも多いと思います。

「裏」というと、「裏方」という言葉のように、「縁の下の力持ち」という意味もあります。まさに、新潟県は「縁の下の力持ち」です。東京などの都会の企業に就職して労働力を提供しています。コメや酒など食糧を供給しています。天然ガスや電力などのエネルギーも供給しています。研磨など世界的に一流の技術も提供しています。どれか一つが絶たれても、東京などに大きな影響が出てしまいます。それは、中越沖地震で被災して操業が停止した原発や自動車部品工場の例をみても分かります。こうした様々なものを提供して、その見返りとして、生活をしていくための収入を得ています。それが絶たれるようであれば、新潟県はやっていけません。つまり、「表裏一体」で成り立っているわけです。

結局、新潟県をはじめとする「裏日本」は、「表舞台」に立たなかったわけです。首都機能としての東京が中心であり、「表」であるわけです。しかし、これからは地方の時代。「道州制」や「連邦制」など、複数のブロックに分ける可能性もあります。そうなると、「表」か「裏」かの二つに分けるのではなく、いくつかの「面(おもて)」に分けることになります。

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