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岡たかおの「岡目八目」

カテゴリ「ことば」の14件の記事 Feed

2006年6月 3日 (土曜日)

新潟と北海道の方言

新潟の方言と北海道の方言には、共通点があります。「なまら」(意味:とても)とか、「がっと」(意味:強い)は、新潟の方言でもあり、北海道の方言でもあります。どうして離れた地域に共通の方言があるのでしょうか。これには二通りの説があるようです。
ひとつ目は、明治期の開拓時代に、新潟県出身者が多く北海道に渡ったためという説です。全国各地から北海道に移住していますが、その中でも新潟県出身者が最も多かったそうです。もともと新潟県の方言が北海道に渡ったという説です。実際に、北海道の方言は、全国各地の方言が入り混じっていると言います。
もうひとつは、江戸時代の北前船による交易が、新潟でも北海道でも盛んだったためという説。この説では、北海道の方言が新潟県に渡り広まったということです。
どうやら、新潟が先か北海道が先かという議論があって、二通りの説が生まれたようです。どちらが先か決着をつけなくても、どちらの地域でも通じることばがあるということでいいんじゃないかと思います。

2006年5月26日 (金曜日)

「越後の苺」

新潟の人は、「イ」と「エ」の区別がつきません。区別して発音することが苦手です。例えば、「駅」と「息」が同じように聞こえたりします。それが何代にも渡ると、書く方にも影響がでてきます。例えば、クロスワードパズルに「映画」と書かなければならないところは、「エイガ」「エエガ」「イイガ」「イエガ」と4通りの答えがあっても驚くことではありません。そして、極めつけは食品の「エゴノリ」。新潟では単に「エゴ」とか「イゴ」とか言いますが、どちらが正しいのか。結局、どちらも正しい、どちらでもよいことになっています。
さて、タイトルの「越後の苺」。新潟県の人は、アクセントが多少違うので区別はできると思いますが、県外の人が聞けば、「越後の越後」と言っているのか「苺の苺」と言っているのか分からないことでしょう。

2006年2月19日 (日曜日)

「チェーロー」について

「じゃんけん」は、地域によって独特の呼び方があります。新潟の場合は、「チェーロー」と呼びます。「チェーローで決めよう」と言ったら、「じゃんけんで決めよう」という意味です。

じゃんけんをする時の掛け声は、「チェーロー、チェーロー、チェーロー、エス」です。これは「じゃんけん、じゃんけん、じゃんけん、ぽん」と言っていることと同じです。「チェーロー」を3回繰り返し言って、「エス」と言うタイミングでグー・チョキ・パーの手を出します。あいこの時の掛け声は、「マーライ、エス」と言います。「あいこで、しょ」と同じ意味です。
「チェーロー」のほかにも、「チッ、ケッ、ター」を使っている人もいました。

少なくとも旧新潟市地域では普通は「チェーロー」を使っていました。新潟県内でも、他の地域では使われていないかもしれません。それから、TBSのバラエティ番組「8時だよ全員集合」の影響で、「最初はグー、じゃんけんぽん」の掛け声が全国的に広まって以来、あまり使われなくなったかもしれません。

「チェーロー」の意味や由来は、わかりません。新潟県外で使われているという話は全く聞きません。

2006年2月11日 (土曜日)

「タイヨウシ」知ってますか?

皆さんは、「タイヨウシ」という言葉を知っているでしょうか。新潟県の方なら、小中学校などで当たり前のように使っていたと思います。実はこの言葉は、新潟県地域で使われている言葉で、他の地域ではあまり使われていません。方言のような言葉です。

「タイヨウシ」とは何か、知らない人のために説明します。小学校などで、壁新聞などを作ることがあると思いますが、そのときに使う大きな紙のことです。一般的には「模造紙(もぞうし)」と呼びます。新潟県地域では、昔から「タイヨウシ」と呼ばれています。学校の先生がこう呼ぶので、世代を越えて受け継がれていると思います。

「タイヨウシ」という言葉を知っていても、漢字でどう書くのかまで知っている人は少ないと思います。「太陽紙」、「耐用紙」、「大用紙」などと想像できますが、「大洋紙」と書くそうです。大きな洋紙(和紙ではない)、ということですね。

大人になると「タイヨウシ」を使う機会がめっきり減るので、この言葉のことも忘れてしまいます。それでも時々、「タイヨウシ買ってきて」、「タイヨウシって何ですか」という会話が起こることがあります。

このように、地域によって言い方が異なる言葉について、ワープロソフト「一太郎」でおなじみのジャストシステム社のホームページに掲載されています。そこには「タイヨウシ」のことも書いてあります。新潟県に際立って分布していることがわかります。山形県や山口県では、「大判紙」という呼び方が多いということもわかります。